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足場について

「足場」の歴史は古く、古代エジプトのピラミッド建設にはすでに足場が取り入れられていたといわれています。
日本では、木材の入手が容易だったことから、丸太足場や木製脚立など、現在の形に近い足場が使われてきました。
古いものでは、奈良時代の遺跡のそばに、足場を建てた跡とみられる、規則正しく並んだ「足場穴」が見つかっています。
「ピラミッドの側面に、石を運び終えた労働者達が戻るための足場が組まれた」と言及しているものがあります。

この通りに紀元前2500年頃のピラミッド建設で足場が使われていたとすると、足場は約4500年の長い歴史を持つことになります。

 

 

 

「建設はとびに始まり、とびに終わる」と言われ、高所を自在に動き回れることから「現場の華」と言われることも。
とび職人は、真っ先に工事現場に入り、仮囲い(工事現場の柵)を組み、タワークレーンを設置して建物の基礎となる鉄骨を建て、高所でも他の工事者が安全に工事出来る様、足場を設置し、作業場所をつくるのも、とび職の仕事。
だからこそ、とび職人がいなければ工事は出来ず、とび職の仕事が適切に完了しなければ、その先の工程が進まない。

それゆえ「とびに始まり、とびに終わる」と言われてます。

 

 

足場の種類について

くさび式足場

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くさび式足場は、「くさび」と呼ばれる金具をハンマーで打ち込んで部材に接続することによって組み立てられる足場です。

1980年に株式会社ダイサンが開発・販売したくさび式足場が広く普及したため、商品名の「ビケ足場」という通称で呼ばれることもあります。

くさび式足場は、鋼管(鉄パイプ)を建地(支柱)として一定間隔で立て、そこに水平材や斜材を固定して組み上げます。これまでは主に低層建築のために使用されていましたが、近年では中層建築や一部の高層建築にも採用されています。

この足場の利点は、組み立てや解体がハンマーを使って容易に行える点や、複雑な形状の建物にも対応できる点です。また、コストパフォーマンスも高い一方、場所によっては設置が難しい場合があります。

 

枠組足場

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一般的に多くの現場で利用されているのが、枠組足場です。主に、鋼管を溶接して構築した建枠をベースに、脚注ジョイント・ジャッキ型ベース金具・床付き布枠・筋交い・鋼製布板などの部材を組み合わせて立てます。

枠組足場は主に建物の外壁に沿って設置され、軽量でありながら高い強度を備え、組み立てや解体も比較的簡便なのが利点です。

また、組み立てにハンマーを使用しないため、騒音もそれほど大きくありません。初期にはアメリカのビティスキャホード社から輸入されていたため、「ビティ足場」と呼ばれることもあります。

 

単管足場

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単管足場は、直径48.6mmの鋼管を使用して組み立てる足場です。現在のように鋼管が主流となる前は、丸太が使用されていました。この足場では、単管にクランプと呼ばれる金具を接続し、さらにボルトで締め付けて組み立てを行います。

欠点は、くさび式足場や枠組足場と比べると、組み立てや解体にやや時間がかかることです。その反面、足場の形状の自由度が高く、他の足場が使用できない狭小地でも組み立てが可能です。

 

吊り足場

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吊り足場は、支持方法が他の足場とは異なり、上から吊り下げて組み立てるタイプの足場です。構築物の鉄骨の梁などから支持を取って、吊り下げた作業床を支えます。

橋梁やプラントなど、足場を下から組み上げるのが困難な場所に設置できるのが特徴です。ただし、吊り足場は他の足場に比べて設置の難しい足場であるため、高さにかかわらず「足場の組立て等作業主任者」の選任が必要です。

また、吊り足場は「吊り枠足場」と「吊り棚足場」に大別され、状況に合わせて使い分けられています。

 

移動式足場

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移動式足場は、キャスター(車輪)が取り付けられた可動式の足場です。一度組み上げてしまえば容易に移動させられるため、効率的な施工が可能です。

作業床は平らで広く、安全な作業が行えます。さらに、高さの調整も可能であり、天井や壁などの内装の仕上げ工事に適しています。

ただし、勝手に動いてしまわないよう、作業中はブレーキをかけておかなければなりません。多くの移動式足場は、転倒を防止するために「アウトリガー」と呼ばれる補助用の支柱を立てて固定します。

 

足場は最終的に撤去される部分ですが、建築においてとても重要な役割を果たしているのです。
安全かつ正確な作業を行うためには、建築物に適した足場を使う必要があります。

大井町 建築・リフォーム相談センター

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