コンクリートの耐用年数は、悪条件で50年。好条件で100年程度と言われています。
そんな中、200年間自己治癒する日本の最先端コンクリート ~バジリスク~ についてお話したいと思います。
・最先端のコンクリート『バジリスク』とは
開発者は、オランダ・デルフト工科大学のヘンドリック M.ヨンカース博士。
コンクリート中に、特殊なバクテリアと栄養分のカルシウム有機塩を混入することで、コンクリートにひび割れが発生した際に、バクテリアの代謝活動によって自動的に修復する技術の開発に成功されました。
この技術が、コンクリート構造物の長寿命化およびメンテナンスフリーまたは大幅軽減等の特長を有することが評価され、2015年に欧州特許庁の欧州発明家賞にノミネートされました。
北海道のコンクリート専門業者 會澤高圧コンクリートが、この技術のユニークさと将来性等に着目し、実地調査と検証実験を行った結果を踏まえ、2016年6月に、この技術を利用した製品(バジリスク)の日本独占販売権を取得しています。
その後、會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)とアイザワ技術研究所(札幌市)は、コンクリート構造物のひび割れなどの損傷をバクテリアが自動修復する「自己治癒コンクリート」の量産技術を世界で初めて確立しました。
・自己治癒コンクリート『バジリスク』の構造
自己治癒システムは、バシラス属のバクテリアを乾燥状態にして休眠させ、乳酸カルシウムといった栄養素と一緒に顆粒化しコンクリート製造時に混入します。
コンクリート硬化後、ひび割れが発生した場合、雨水などの水分が浸入すると酸素を有する環境下でバクテリアが復活し、栄養分を吸収して炭酸カルシウム(石灰石)を生み出しひび割れを閉塞し、内部の鉄筋腐食を防止します。
なお、この特殊なバクテリアは、高アルカリ環境に耐え200年まで休眠することができます。
まとめ
大規模な公共事業では、既にバジリスクが導入されて来ています。
いずれは、一般的に使用されるようになると考えられます。
そうなれば、コンクリートのメンテナンスに掛る費用が、大幅にカットできることはもちろん想定できます。
そして、震災が多い日本での需要は多く、構造物の耐用年数が大幅にあがると思われます。
そのうえ、バジリスクコンクリートは、200年以上の耐久があると言われているため、その間にもっと耐久性の高い素材が開発されることも予想できます。
古くなったから建替えるという考え方が、少なくなる時代が来るかもしれません。
大井町 建築・リフォーム相談センター
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