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ドアクローザーについて

玄関や部屋のドアの上部に設置されるドアクローザー。ドア開閉のスピードを調節し、指などを挟むことによるケガを防ぐ役割を持っていることをご存知の方もいるでしょう。
しかし、自分である程度調整することもできることまでご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、ドアクローザーとは何か、役割や種類などについて解説していきます。

 

ドアクローザーとは?

ドアクローザーとは、ドアの上部に金属製のアームと一緒に取り付けられている箱状の装置です。マンション・アパートなどの集合住宅や一般住宅のドアに付いていることが多いため、自宅に設置しているという方も多いのではないでしょうか。
ドアクローザーは、ドアの開閉速度が適切かつ安全な速度で行われるように調節する役割を持ちます。
例えばドアクローザーがない場合、ドアを閉める際につい力が入りすぎて大きな音を立ててしまったり、急に閉めることによって指や足などを挟んでしまうケガ・事故が起こってしまったりするリスクがあります。
しかし、適切な速度で閉じるよう調整したドアクローザーが正常に機能していれば、勢い良くドアを閉めても、ゆっくり閉まるよう自動で調節されるので、大きな音が立ったり、ケガや事故が起こったりすることを防ぎやすくなります。

 

ドアクローザーの種類

ドアクローザーには、「スタンダード型」と「パラレル型」の2種類があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

スタンダード型は、ドアを閉じた状態で垂直に飛び出すタイプのドアクローザーです。採用されてから現在に至るまで長い歴史を持っています。
しかしその一方で、ドアの室外側に設置するため、日光や雨風といった室外環境の影響を受けやすく、経年劣化が早まってしまいやすいデメリットも持っています。
また、ドアから90°以内の範囲に障害物がある場合は設置できません。そのためスタンダード型のドアクローザーを設置する際は、ドアが開く方向にある程度のスペースが必要となります。

 

パラレル型はドアが開く方向とは反対側に設置するドアクローザーで、ドアを閉める際にアームが折り畳まれるのが特徴です。集合住宅の玄関ドアで見かけることが多いでしょう。
スタンダード型とは違い、ドアクローザーは室内側に設置します。そのためスタンダード型と比べて雨風や強い日差しに晒されにくく、外部環境の影響で経年劣化が早まる心配が少ないメリットがあります。
ただし、パラレル型のドアクローザーは劣化しないというのは誤りです。気候や気温による温度・湿度の変化によって劣化するケースはあるため、注意しましょう。

 

ドアクローザーの主な機能

ドアクローザーの内部には、油の粘性を利用することで衝撃や振動を和らげるよう、油圧式の仕組みが設けられており、これがドアの開閉時のスピードを調整しています。
この他にも、ドアクローザーにはさまざまな機能や装置が搭載されています。ここでは、それぞれの機能が持つ役割について、詳しくご紹介します。

・速度調整

ドアクローザーの大きな役割となる、ドアの開閉速度を調整する機能です。
ドアクローザーを設置した場合、ドアを全開の状態から手を離すと、閉まる少し手前で速度がゆっくりになります。
最初の速度区間を「第1速度区間」、閉まる手前のゆっくりになる区間を「第2速度区間」といい、それぞれの「速度調整弁」と呼ばれる部位を操作することで、任意の速度に調整できます。

・ストップ装置

ストップ装置とは、ドアを開いたままの状態でキープできる機能です。一定の角度までドアを開くと、ストップ装置が働いてドアの角度を維持します。
具体的にどのくらいの角度まで開けた状態でキープできるのかは各社の商品によって異なりますが、スタンダード型なら70~120°、パラレル型なら70~180°までの範囲で、任意の角度に設定できるケースが多いです。

・ラッチング

ラッチング(ラッチングアクション)とは、ドアが完全に閉まる直前でドアが閉じる速度が速まり、素早く閉められる機能を指します。
ドアが閉まる直前の速度は細かく調整できます。また、手動で閉めるときのように半ドアになる心配が少なくなるメリットもあります。

・ディレードアクション

ディレードアクションとは、ドアが閉じ始めるスピードを制御する機能です。ドアを全開させた角度から約70°までの区間で速度が制御され、ゆっくりと閉じるようになります。
そのため、車椅子利用者の方がドアを開閉する際や、大きな荷物を搬入・搬出する際などに役立つ機能です。
なお、ドアがゆっくりと閉じる角度以外では通常の速度でドアを開閉できるため、「ディレードアクション付きのドアクローザーを設置するとドア全体の開閉が遅くなる」というものではないので注意しましょう。

 

ドアクローザーの不具合を起こす主な要因

ドアクローザーを設置する際は、経年劣化による機能低下に注意する必要があります。また、誤った調整方法やドアの使い方によって起こるさまざまな不具合にも用心する必要があるでしょう。
ここでは、どのようなケースがドアクローザーの不具合やトラブルの原因となり得るのかを詳しく解説します。

・経年劣化による摩耗

ドアクローザーは雨風や強い日差しといった環境変化による経年劣化だけではなく、使用頻度の高さによる経年劣化にも注意する必要があります
ドアクローザー内部の部品はドアを開閉する度に摩耗するため、長年使用していると油圧機構が劣化して十分な性能を発揮できなくなるためです。
ドアクローザーの耐用年数は、一般的な目安として大体10年を超えると新品の性能を発揮できなくなる可能性が高いと言われています。もちろん、使い方やドアの開閉頻度、日光や雨風などの環境によって、さらに劣化が早まることもあるでしょう。
経年劣化による摩耗が進むと、ドアクローザーから異音が聞こえるようになったり、ドアがスムーズに開閉できなくなったりする場合があります。その際はドアクローザーの交換を検討しましょう。

・スピード調整弁の回しすぎ

ドアの開閉速度を調節する仕組みは、速度調節弁のネジを回すことで調整できます。
しかしこのネジを過度に回すことでネジが抜けてしまい、内部の油が漏れることで機能が低下してしまう場合があります。
内部の油が漏れてしまった場合、基本的に修理はできないため、ドアクローザーを丸ごと交換することが必要となります。

・ドアへの過負荷

ドアを繰り返し、力強く開閉することもドアクローザーの不具合の要因となります。
ドアクローザー内部の油圧機構やスプリングなどに大きな負荷がかかり、機構が壊れてしまうことがあります。
ドアクローザーを設置して安全性を高めたからといって、ドアを急に開け閉めすることは控えるようにしましょう。

 

まとめ

ドアクローザーは、ドアが閉まる速度を制御する重要な装置です。設置することで開閉時のケガや事故を防ぎやすくなるだけではなく、ドアの操作や通行に時間がかかる方でも利用しやすくなるため、住宅のバリアフリー化にも役立ちます。
定期的に調整しつつ、必要に応じて交換することが大切です。

 

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