オフィスや店舗の天井を支える「ジプトーン」と「ソーラトン」。
一見似ているこの2つですが、その性質や維持管理の方法には大きな違いがあります。
今回は、見分け方から「水」への耐性、アスベストの懸念、メンテナンス術までを詳しく解説します。
1. ひと目で見分ける3つのチェックポイント
現場でどちらの素材か判断するには、以下のポイントを確認してください。
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ビス(ネジ)の有無: 表面に**「白いビスの頭」**が見えたらジプトーンです。ソーラトンはボンドと針で留めるため、表面にビスは見えません。
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継ぎ目の形状: 板と板の継ぎ目がフラットで隙間があるのがジプトーン。継ぎ目が**V字に溝切り(面取り)**されているのがソーラトンです。
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叩いた音と質感: 叩いて「コンコン」と硬ければジプトーン。「ボスポス」と鈍い音で、爪で押すと少し凹む柔らかさがあればソーラトンです。
2. 特徴・性能比較表(水耐性とアスベスト)
| 項目 | ジプトーン(石膏ボード系) | ソーラトン(岩綿吸音板系) |
| 主原料 | 石膏(硬い) | ロックウール(柔らかい) |
| 水への耐性 | 極めて弱い。 水を吸うと芯の石膏が脆くなり、自重で崩落する危険がある。 | 弱い。 水を吸うと茶色いシミになりやすく、強度が著しく低下する。 |
| アスベスト | 原則、含有なし。 ただし非常に古い製品は裏打ち材を確認。 | 2004年以前のものは要注意。 古い製品には含有の可能性があるため、品番確認が必須。 |
| 主な機能 | 経済性・防火 | 吸音・断熱・防火 |
【重要】アスベストの見分け方について
見た目だけでアスベストの有無を100%判断することは不可能です。建物の竣工年が2006年(完全禁止)以前の場合は、図面での品番確認、または専門業者による分析調査を必ず行ってください。
3. 施工とメンテナンスのポイント
■ 施工方法の基本
○ジプトーン(直接張り): 軽量鉄骨下地に白ビスで留めるだけの一層仕上げ

○ソーラトン(重ね張り・捨て張り): 石膏ボードを下地に張り、その上からボンドとステープルで張る二重構造が一般的。

■ 塗装メンテナンスの注意点
古くなった天井を塗装でリフレッシュする場合、大きな注意点があります。
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ジプトーン: 塗装可能です。ただし、吸い込みが激しいためシーラー(下地材)をしっかり塗る必要があります。
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ソーラトン: 塗装には注意が必要です。 厚く塗りすぎると、ソーラトンの最大の特徴である「吸音用の穴」を塞いでしまい、吸音性能が著しく低下します。専用の着色剤を薄くスプレー塗装するのが理想的です。
4. 水漏れが起きたらどうする?
どちらの素材も**「水」には非常に脆い**のが弱点です。
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ジプトーン: 一度濡れると石膏がグズグズになり、乾燥しても強度は戻りません。シミができた場合は、塗装で隠すよりも板ごと交換するのが安全です。
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ソーラトン: スポンジのように水を吸い込み、巨大な茶色のシミを作ります。また、湿気でカビが発生しやすいため、水漏れした場合は速やかに交換を推奨します。
5. まとめ:用途に合わせた選択を
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ジプトーン: コスト重視、水回りの近く(ただし濡れない場所)など。
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ソーラトン: 静かさ重視の会議室、ホテルの客室、断熱性を高めたい最上階の部屋など。
見た目だけでなく、その「中身」と「維持管理」まで理解しておくことで、長く快適な空間を保つことができます。
大井町 建築・リフォーム相談センター
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