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鏡とガラスの関係

は私たちの日常生活に欠かせないアイテムですが、なぜ鏡が「ガラス」を使って作られているのか考えたことはありますか?

今回は、その理由を紐解きながら、鏡とガラスの関係について解説していきます。

・鏡の基本構造

鏡は一般的に「ガラス」と「反射層」の2つの主要な部分で構成されています。
まず、表面となるガラス層があり、その裏側には銀などの金属反射層が塗布されています。

この構造が、光を反射して像を映し出す仕組みとなっています。

・ガラスの特性と鏡との関係

透明性

ガラスは無色透明で、光を透過する性質を持っています。
鏡の場合、裏側に反射層があるため、ガラスを通じて反射層がしっかりと見えるようになっています。
透明であることで、金属層が歪むことなく均一な反射を可能にします。

滑らかな表面

ガラスは非常に平滑な表面を持っており、これが鏡に映る映像の精度を左右します。
表面が滑らかであるほど、反射された像が歪むことなく鮮明になります。
もし粗い素材を使って鏡を作った場合、映る像が歪んでしまうため、滑らかなガラスが理想的な素材となります。

耐久性と耐候性

ガラスは硬く、日常の摩擦や衝撃に対しても比較的強いです。
また、温度変化や湿気、紫外線に対しても高い耐候性を持っているため、長期間使用しても劣化しにくい特徴があります。
これは、鏡が湿気の多い浴室や、温度が変化する環境などでも使用される理由です。

加工のしやすさ

ガラスは比較的加工がしやすい素材であり、形状やサイズを自由に変えることができます。
家庭用の小さな手鏡から、大型の鏡まで、多様なニーズに応えることができるのは、ガラスの加工性の高さが理由です。
また、特殊なコーティングを施すことも可能であり、防湿・防曇コーティングや反射防止加工など、機能性を付加することも可能です。

 

・鏡の不思議

鏡の中の左と右

毎日鏡の中に見ている自分の顔ですが、他人から見る自分の顔とは決定的な違いがあります。そう、左右が反転しているのです。
図のように鏡の中では自分の右手が左手に、左手が右手になっています。これを「鏡映反転」と言います。
3~4割の人が鏡の中の自分の顔や身体の左右が反転していることに気づいていないそうで、文字が映った時に初めて反転に気づくのです。

反転文字は読みにくいのですが、顔や身体は反転していても違和感を感じません。スマートフォンで自撮り(画像を見ながらの撮影)すると鏡と同じように鏡映反転が起こります。
このため反転映像が本来の自分の顔と誰もが意識しているのかもしれません。
他人が見る自分の本当の顔を鏡で見るには、鏡を2枚使って(合わせ鏡)顔が映るようにします。角度が難しく真正面からは見られませんが、2度反射させることで左右が元に戻り正しい映像になります。
実はこの鏡映反転の謎の解明は古代ギリシャ時代から哲学者や物理学者が挑戦してきたものなのです。当時は板ガラスの鏡はまだありませんでしたが、鏡のある現在でもこの謎は明快に説明されていないようです。

・鏡の敵「シケ」とは

銀(Ag)はそのままでは不安定で酸化しやすい金属なので、鏡の裏面は厳重に防湿処理がされています。
一般的には銀の上に銅(Cu)の層を作り、さらにその上に樹脂系の無鉛塗料を焼き付け塗装しています。

この塗料を「裏止め塗料」と言い各メーカーによって成分や色が異なります。
銅の層は水分などが侵入した際に最初に酸化被膜を作って銀を守る役目をしますが、裏止め塗料に傷がついたり、エッジの防湿処理の不具合や長期間高温多湿環境に置かれた鏡などの場合、銀面まで腐食(酸化)が進み黒く見える場合があります。これを鏡の「シケ」と呼んでいます。

シケは水分や塩素、温泉環境に多い硫黄系のガスなどで促進されます。
壁装材としてショップやビルの内装壁面に使われる鏡は、ガラス施工会社が必要寸法に切断して使うのが一般的です。この場合切断や穴あけを行ったままだと切断面は銀や銅が露出した状態になり、そこがシケの原因になります。切断のような加工を伴う施工はエッジの防湿処理(エッジコート)が必須の加工になります。
住宅設備として販売されている鏡は販売時点でエッジは防湿処理をされているので安心ですが、さらに強力な防湿・裏止め処理をエッジと裏面に行い、過酷な使用環境下での耐久性を増した商品もあります。

大井町 建築・リフォーム相談センター

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