良い家の代名詞として「高気密高断熱」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
省エネ住宅の三大要素は「断熱」「遮熱」「気密」と言われています。それほど、現代の住宅において「断熱」は非常に重要なものです。
今回は、断熱の基礎知識として、断熱材の種類や特徴についてお話したいと思います。
・断熱材の種類
断熱材と一言で言っても様々なものがありますが、大別すると「繊維系断熱材」と「プラスチック系断熱材」の2種類に分かれます。
また、「繊維系断熱材」と「プラスチック系断熱材」は以下の様に、さらに細かく分類されます。
・グラスウール
繊維系断熱材の中でも一番知られている断熱材ではないでしょうか?
原料はガラスで、綿状になっています。建築現場や家庭内で出る資源ゴミを利用したリサイクルガラスを使っているものが多いです。
そのためか、再生利用が効き、環境保護やゴミ減量などの環境に対しての配慮がなされている断熱材として注目も浴びています。

また、素材がガラスになるのでシロアリなどの害虫被害や火災などにも効果をもたらします。
機能、コスト、環境面においてもメリットがあるので繊維系断熱材の中では一番需要が高いとされるでしょう。
・ロックウール
ロックウールは名前の通り、玄武岩や天然岩石を原料として製造される岩綿になります。
高温の炉で溶融したりする人造鉱物繊維になりますので様々な形に成形が可能です。原料が岩石になり、高温で処理されているほどなので耐火性に優れています。
また、石ですから重みは多少あるようですが、グラスウール同様に防音効果もあり、不燃材に当たるので空港などの重厚な場所に使用されることが多いようです。
意外と歴史も古く、ヨーロッパなどでは採石場も多いですし、建物も石造りなどが多いので幅広く使用されていたようです。
・セルロースファイバー
セルロースファイバーは天然繊維の断熱材になります。パルプと言われる古紙や製紙に用いる素材をリサイクルして耐熱、撥水加工を施して作られた断熱材製品です。
無機質系断熱材とは少し違い、天然の繊維が細かく絡み合っているので空気層だけでなく、繊維の中にまで自然の空気胞があります。この存在がより一層、熱や音などを遮断します。また、木質繊維特有の調湿性で適度な湿度も保ってくれます。セルロースファイバーには、ホウ酸が含まれていて、このホウ酸は害虫駆除などにも使われるものなので害虫被害防止にも繋がります。
施工方法が特殊で、専門的になるので専門業者さんにお願いする必要があります。使う材料自体も値段が高く、断熱材の中でコスト面だけで考えると高価なものになります。
・インシュレーションファイバー(インシュレーションボード)
木の繊維から製造したものになります。木のチップと水を加熱処理し、繊維状になるまで混ぜ合わせ、そこに接着剤など必要素材を混ぜて型にはめて形成し乾燥させたボードです。
インシュレーションボードに使用するチップは廃材などを利用することもあり、こちらもエコロジーです。
木質繊維なので多孔質になり、無数の穴が音の振動を吸収してくれる為、防音効果にも繋がります。音楽ホールや音楽スタジオでの使用が多いでしょう。また、意外な使われ方として、畳の芯部分にも多く利用されているそうです。
ただ、インシュレーションボードは原料が木材になるので水や湿気には弱く、そのデメリットを補うように開発されたシージングボードというものがあります。これはインシュレーションボードにアスファルトを塗ったり、染み込ませたりして製造します。この加工を経て耐水性を増し、幅広い箇所で使えるようになりました。
次回につづく。 次回はプラスチック系断熱材についてご紹介します。
大井町 建築・リフォーム相談センター
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